2016年05月29日

広島でのオバマ大統領のスピーチと今回のサミットに思う

 オバマ米大統領の広島訪問に対して被爆された人は勿論、非人道的な殺戮兵器である「原爆」を投下された被爆国として米国に対して「謝罪」を求める人も多かったと思いますが、その思いを越えて世界のリーダーであるアメリカ大統領の広島訪問を歓迎し「原爆」がもたらした苦悩の歴史と悲惨な事実を見せることによって「戦争のない世界」「核のない世界」への一条になればとの思いを優先させた日本人の精神性の高さは世界に誇るべきことだと思います。

 そして訪問されたオバマ大統領がアメリカ国内の「謝罪すべきでない」との世論を乗り越えて勇気を持って世界に向けての格調高く「戦争のない世界」と「核なき世界」への心のこもったメッセージを話されたことは感動的でまた歴史的な出来事であったと思います。

 しかし「核なき世界」を提唱し「ノーベル平和賞」を授与されたオバマ大統領であっても、核を抑止力として大量の核の保有を容認するアメリカやソ連は新たな核兵器技術の開発を進めており、また抑止力と言う大義で核保有国が増続けている現実があり、今回のオバマ大統領のメッセージによって世界が「戦争のない世界」や「核なき世界」に進む環境にはありません。

 しかし、この環境が続けば核技術の開発や小型化が進みやがては「テロ集団」が核をもつのは確実で、そこには「抑止力」は有名無実となって何かのきっかけで核の行使へと進むことも確実で、またリトアニア紛争でプーチン大統領が「核の使用を考えた」との発言も有り「抑止力神話」が核開発を推し進め核廃絶を妨げている原動力になっています。

 そのような観点いえば、今回のサミットはオバマ大統領の広島訪問という歴史的出来事が予定されたのですから被爆国日本の首相として7ヶ国のリーダーにも核廃絶を訴え広島訪問を示唆し、世界に類にない「戦争放棄」を憲法に持つ日本として「戦争のない世界」を訴えオバマ大統領の精神性の高いスピーチを少しでも具現化するような提案をしリードする絶好の機会にしてほしかったと思います。

 残念ながら今回のサミットでは安倍首相の「消費税再延長による参議員選挙対策」を視野に議長国という立場での「世界はリーマンショック前夜」だとの強引なリードしか伝わらず、現在世界を不安定にしている「貧富の格差」や民主主義そのものの信頼を失わせている「パナマ文章」によって暴露された多国籍企業や富裕層の「タックスヘイブン」を利用した税金逃れなどの緊急重要課題への7か国のリーダーの対応が伝わってこなかったことは物々しい警備をしてまで開催したサミットにしては拍子抜けであったと思います。
posted by コ−エン at 14:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記