里山からのひとり言

　人生５０年であった時代は多くの人にとって人生の成功とは自立して家族を養い育てるあったのではないかと思います。
　しかし人生８０年と言われる現在は自立して家族を養い育てた後の人生が長くトータルとして後半の人生をどのように過ごすかによって成功人生であったかどうかが問われるのだろうと思います。
　私自身は仕事がら高度情報化社会に適応するのにそれ程抵抗はありませんが、やはりその進化の早さには追いてゆくのは難しく、ましてや競争社会の中で肉体的に伍してゆくのも難しくなりつつあるのが現状です。
　したがって、このままゆけば必然的に社会的弱者として他の人や社会に依存して、救済される側の人になり、ややもすると老害人生になってしまいかねません。
やはり、一方的依存人生で終わりたくありませんので、たとえ肉体的な自立が出来なくなり医療や介護が必要になった時も経済的自立は最低限しておきたいと思っていますが、さりとて施設に入るのは最後の最後にして、出来るだけ気心の知れた仲間のお世話になりながらが良いと思っています。
　そのような思いから「利他村」ではお互いに相互依存の関係が自然なあり方となるようになればと願っています。
　自然な相互依存が出来上がるのは、日頃からお互いが仲間の役に立ちながら自らも楽しいと言う中で生まれてくるものですから、利他村では「自立と奉仕をモットーに・・・・」を理念にして、「して欲しいから」ではなく「してあげたい」と言う思いが自然に出てくるような風がいつも漂う村でありたいなと思っています。
　人生８０年の時代のシルバー期を豊かな成功人生にするために、お互いに自立するだけでなく相互依存をし合える仲間が集う「利他村」になればと思っています。